こんにちは。ハルちゃんです。5/5現在GW最終日、いかがお過ごしでしょうか♪
私は都内在住ではありませんが、数分歩くと東京都という極めてギリギリの土地に住んでいます。なので基本は緊急事態宣言の指針に則ったGWの過ごし方をしています。
そんな感じでGWはステイホーム的な雰囲気にはなりましたが4月では、とあるオフの日(緊急事態宣言の少し前)に栃木県足利市へ日帰り旅に行ってきました。もちろん密を避けた感染症対策を万全に整えての旅です。久々の小旅行で気分がリフレッシュできました。下の画像はその時行った山で撮影した1枚になります。
この旅レポも今度記事にする予定でいます(写真も沢山撮ったので色々ご紹介しますね♪)のでその際は是非ご覧下さい✨
さて、本日はシリーズ第2弾。タイトルの通り、孫子のお話をしたいと思います。
『孫子』は春秋時代の中国で活躍した軍師、孫武という人物による兵法書になります。戦いにおける勝ち方を追求した13篇から成るその理論は現代においても企業経営等のビジネスシーンの他、様々な分野で有益なメソッドとして活用されています。
今回ご紹介するのはその中の九変篇の中で登場する件(くだり)となります。そして、心理学の考察なのでその後はご紹介した内容の心理学的な実践の一例をお伝えしたいと思います♪
将に五危あり。必死は殺す可く、必生は虜とす可く、ふん速は侮る可く、廉潔は辱む可く、愛民は煩わす可し。 (九変篇より)
ここではいわゆる組織のリーダーが念頭に置くべき五つの危険要素(必死、必生、ふん速、廉潔、愛民)を提示しています。もちろん、リーダーに限らずあらゆるシーンにおいて大切なことをいっています。順を追って説明します。
Ⅰ 必死
これは
❝死ぬ気でやる❞
とか
❝死に物狂いでやる❞
といった気構えで物事に向き合うことをいっており、言わば「猪突猛進でロジカルな判断ができなくなる」ということの危険性をいっています。もちろん、頑張ることは大事ですが、上記のように逸脱することによって、戦場ではかえって不利になり得ます。リーダーがこんな状態ではフォロワーは混乱することでしょう。むしろリーダーは、こうした状況に陥っているフォロワーをリカバリするくらいの器量があっても良さそうですね。
Ⅱ 必生
一方で、こちらは
❝絶対生きる❞
ということに拘る態度を指しており、その気構えが強すぎることにより、戦場では早期に諦めて
簡単に捕虜となってしまうようなイメージでしょう。現代社会で例えるなら
❝イマのポジションにしがみつくことに執着する❞
だったり
❝何が何でもノルマを達成させる❞
といった行動が該当するといえます。こうした物事への向き合い方、特にノルマ達成等に対する姿勢は素晴らしいバイタリティといった側面を持つともいえます。しかし、ややもするとその目的達成の為ならばいかなる手段(例えば倫理性に欠けるような手段)を用いる可能性も持ち得るという危険性を秘めています。企業等ではトップがこのようなロジックの場合、その他全員もこうした行動指針で組織が運営されることも起こり得ることが考えられます。
Ⅲ ふん速
これは、短気でいつも喧嘩腰であるような態度が該当します。時として、このような人が指揮を執っていると心強く思う場合もあるかもしれません。しかし、短気というのは要は血の気が多く、冷静な意思決定に欠ける要素を持ち得ます。このような人はその短気さにつけこまれ、体よく利用されてしまう危険性を持ちます。
Ⅳ 廉潔
❝清廉潔白❞
というと、とても素晴らしいことであると思いますが、ここではその気構えも「程々に」しないとかえってよろしくないということをいっています。真面目過ぎる人とか正義感が強い人というのは自身だけでなく、周囲にもその価値観を求める傾向があります。ところがこの世の中は十人十色、百人百色、千人千色。。。様々な価値観、正義感が存在します。こうした態度で活動しているとそのちょっとした差異との軋轢に苦心することになるでしょう。本人自身も辛い上に、周囲の人からも「融通が効かない」等と思われてしまいます。そういう意味で「程々に」しないと身を滅ぼしかねない要素を持つともいえるでしょう。
Ⅴ 愛民
孫武の生きた時代であれば
❝民衆を大切にする、愛情を持って接する❞
現代社会でいえば
❝部下を大切にする、愛情を持って接する❞
この態度自体はとても良いことだといえるでしょう。しかし、上記廉潔同様、それが過剰になるとマイナスの効果を生み兼ねません。例えば、部下に愛情を持って接するのもただただこうしたストロークをするのではなく、𠮟る時は叱る、ツッコむべきところはツッコむ、といったようにメリハリをつけないと、組織としてのパフォーマンスに悪影響を及ぼします。ひいては、リーダー自身の責任も追及されてしまう結果を引き起こす場合もあり得ます。
以上、五つの危険要素をご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
中には自身に当てはまる項目もあるという方もおられるかもしれませんね^^
危険要素とはいっていますが、これらはいずれも必ずしも悪いことではありません。
ただ、「程度を考えないと」悪い効果を生むということを示唆しているといえるでしょう。
本来は良いことであってもバランスが大切だということですね!
私はこの理論にカウンセリングにおける「リフレーミング」と通ずる考え方を感じました。なので、今回のサブタイトルに「逆リフレーミング」というフレーズを付けました。ではなぜ、「逆リフレーミング」なのか。その前にサラッと「リフレーミング」についてご紹介しますね。
リフレーミングって何ですか?
カウンセリングで活用されるワークのひとつに
「リフレーミング」
という手法があります。
リフレーミングというのは、まずは
「フレーム」というのは要は「枠」ですね。つまり「枠組み」です。
何かを捉える「枠組み」を異なる枠組みによって別な視点で捉え直すのが「リフレーミング」となります。著書等他のメディアでもリフレーミングは数多く取り上げられております。よく視点を変えるということで、メガネのレンズに例えて表現されることも多いです。
主に自分に自信の無い方、物事をネガティブに捉える傾向を持ち、且つそれが原因で人生の様々な局面で困難が生じているような場合に特に有効なワークとなります。
このリフレーミングにより考え方、感じ方を変えることにより、諸々の問題解決に繋げていくことがカウンセリングにおけるひとつの目的となります。
幾つか例を挙げてみますね。
例えば、自身のことを
❝鈍くさいダメなヤツだ❞
と思っていたり、
❝いつもビクビクしている弱腰人間だ❞
等と思っているとしましょう。
さらに、自身のみならず、他者に対して感じることもリフレーミングできます。
❝あの人はいつも怒っている❞
みたいな感情等が挙げられます。
それではこれらをリフレーミングしてみましょう。当然、人によって様々な考え方があり、表現は異なることがあります。以下にご紹介するリフレーミングはあくまで一例としてご覧いただければと思います。
❝鈍くさいダメなヤツだ❞→慎重で正確に物事を判断、処理できる
❝いつもビクビクしている弱腰人間だ❞→危機意識が高い
❝あの人はいつも怒っている❞→情熱のある、エネルギッシュな人だ
いかがでしょうか。視点を変えるだけで結構カドが取れたイメージになったと思いませんか?
このように、リフレーミングによってマイナスな視点をプラスに変容させることで人間関係その他諸々が良い方向に向いていけることが期待できます。
さて、それではハナシを一度上記「将に五危あり~」に戻してみましょう。
「ふん速」「必生」にかんしてはまぁ、それぞれ感じ方考え方があるとは思いますが、それ以外は割と世間的には「頑張ってる感」のある健全そうなイメージのものもありますね。しかし、孫氏の兵法ではそれらの「程度」に注意を呈しています。
リフレーミングではネガティブなフレーズをポジティブに変容していきましたが、ここでは逆に良いことのデメリットに着目しているのです。
だから
「逆リフレーミング」
と考えることができるのです。
逆リフレーミングを使って自己を見直そう!
それでは、早速やってみましょうか逆リフレーミング🌟
とはいっても、基本的には上記「将に五危あり~」の各説明でお伝えしたことがそのまま使えます。
なので、ここではそれらをさらに具体的な事例を挙げながら掘り下げてみようと思います。
注)私ハルちゃん一個人の考察なので必ずしも当てはまらないこともあることを前提にご覧いただけますようお願い申し上げます。
「頑張り屋さん」→「頑張り過ぎ屋さん」 健康管理や事故にご注意
何事にも一生懸命全力で取り組む頑張り屋さんはややもすると、その時取り組んでいることに夢中になり過ぎて周りの状況には鈍感になっていることも少なくありません。そんな、頑張り過ぎ屋さんは仕事の頑張り過ぎで無理をすることもあるのではないでしょうか。その結果、体調を崩したりするリスクを秘めています。また、労災等の事故にも繋がる可能性も秘めています。さらに、その「頑張り過ぎ屋さんスピリット」を他者にまで要求するようになり、周囲の人を困惑させてしまうこともあるかもしれません。このような人が職場のリーダーだったらかなりやりづらい側面があるのではないでしょうか。
従いまして、真面目で頑張り屋さんという一見、素晴らしい要素であってもやはり「程々に」する必要がありそうですね。五危で当てはめればは「必死」、「廉潔」の要素を持つ人にありがちな傾向といえます。また、ある意味「必生」にも当てはまりそうです。五危において、「必生」は「必死」とは別物として分類されていますが、
❝何かに向けて危機感を持って取り組んでいる❞
という点において共通点を持つと私は勝手に考えました。
上記必生の説明で「何が何でもノルマを達成させる」と一例を出しましたが、これは必死必生両方にいえることではないでしょうか。
例えば工場における納期。特需や繁忙期等はキャパシティギリギリのパフォーマンスを求められている場合もあるでしょう。そのような状況においては、従事者はどうしても平時と比較して高い危機意識や緊張感を持って業務に臨むと考えられます。しかも、納期という製造業にとっては絶対厳守ともいえる使命を背負っているわけですから、当然業務に向けるエネルギーも大きなものとなるでしょう。確かに、そのような事態で何の危機感も持たないのは考えものです。しかし、
❝何が何でも納期を守る❞
といったように、過度に頑張ることにより上記の様に体調に支障をきたしたり、労災や、はたまたヒューマンエラーによる機械故障等起きてしまっては本末転倒です。工場のお話はあくまで一例ではありますが、こうした側面を考えると「必死」と「必生」とは表裏一体な部分もあるのではないでしょうか。
いずれにしましても、もしご自身が「頑張り過ぎ屋さん」かな、と思った方は一度状況を整理されてみるのも良いかと思います。
「優しい」→「何言っても(やっても)怒らない」 常態的Lose-Winの危険性
デリケートな内容だけに、この見出し名を付けるにあたってはかなり考えました。しかし、あまり曖昧な表現を使ってもまわりくどいだけなので、勇気を持ってこんな表現にしました。なので、以下もストレートに進めていきます。
これは五危でいうところの「愛民」に当てはまります。上記の説明でもお伝えしました通り、ただ愛情を持って優しくするだけではなく、𠮟る時は叱る、ツッコむべきところはツッコむ、といった態度が必要だといえます。これは何もリーダーだけに限らず、家族友人、あらゆるコミュニティにおいて大切な要素だと考えられます。適切な主張ができないと、そこにつけ込んで悪いストロークを浴びせてくる人が存在するのもこの世の中の悲しい現実です。特に、管理職、リーダーといった、相手よりも上位に立つ人は気を付けないと「逆パワハラ」のターゲットになる場合も十分あり得ます。
親子関係であれば、親が子を甘やかし過ぎることでその子がやがてわがままな大人に成長する可能性があります。
過度な𠮟責はよろしくありませんし、暴力等は論外ですが、愛情を持って接するのであればそれこそ
「適切な愛のムチ」
でそのアクセルとブレーキを使い分けることも必要なのではないでしょうか。
以上、簡単ですが、逆リフレーミングやってみました。「ふん速」が出てきませんでしたが、強いて言うなれば「頑張り過ぎ屋さん」のところでこうした要素の人もおられるかもしれませんね。
本当はもういくつかやってみたいところではありますが、今回はここまでにします。
今回でこのシリーズ2回目ですが、書いててすごく楽しかったです。孫子は今後もご紹介していきたいと思っています。
おまけ
今回は孫子の兵法のほんの一部をご紹介してみました。
GW中は3ヶ月ぶりにランニングに行ったりしました。2月の終わり頃に一度体調崩していたことがあり、それ以来自粛していました。5月に入り暖かくなってきたので再開したのです。長期間サボっていただけに鈍っていないか心配でしたが、意外とすんなり走れてホッとしました。私はいつも河っぺりを走るのですが、周辺の緑といい、気持ちいいものです。そろそろ梅雨に入って天気こそ悪いことも多いですが、やはり気温が暖かいのは助かります。適度な運動と食生活でコロナ対策引き続きやっていきたいと思います。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
コメント