ストレスのハナシ 3 ~4つのケア~

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《acworks さんによる写真ACからの写真》

こんにちは。ハルちゃんです。

「新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。」

と申し上げるには2022年1月も結構日が経ってしまいましたね( ̄▽ ̄)

私は冬休みが約1週間程あり、ゆっくり休んだ一方で色々今のうちにやっておきたいことをできる限りやって過ごしたので休んだ割には疲れてます。本当ならこちらの執筆も休み中に時間取ってコツコツやろうと思っていたのですがなかなかできず、こんなに経ってしまいました😅

さて、今回はストレスのハナシのシリーズ❓第3弾ということでサブタイトルの通り『4つのケア』についてご紹介していきたいと思います。

4つのケアって何ですの?

《makieni さんによる写真ACからの写真》

メンタルヘルス対策として厚労省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で提示されているメンタルヘルスケアに「4つのケア」があります。上記 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」ではメンタルヘルス対策を実施するにあたり下記の4つの立場それぞれに必要なケアが明記されています。

1.セルフケア
2.ラインによるケア
3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
4.事業場外資源によるケア

*「労働者の心の健康の保持増進のための指針」のHPへはこちらのリンクから

企業等に勤める労働者に主眼をおいていますが、セルフケアは個人、その他の要素も「組織」で活動していれば応用して活用できる内容であると思います。
それでは、ひとつずつみていきましょう。

1.セルフケア

言葉の通り、セルフ。つまり自分自身で行うケアを指します。
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の内容を一部以下に抜粋します。


・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解
・ストレスチェックなどを活用したストレスへの気付き
・ストレスへの対処

【労働者の心の健康の保持増進のための指針 7項より抜粋】

個々人がこれらのケアができるように事業者は教育や情報提供する等の支援が必要であることも明記されています。

ストレスに対する正しい理解

正しい理解という意味では書店にある専門書を読んでみるのも良いですし、「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」のHPでも関連の情報は入手可能です。

ストレスへの気づき

ストレスチェックであれば同じく 「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」のHP内に「5分でできる職場のストレスセルフチェック」というのがあります! 是非お試し下さいね!私もやってみました。ちょうど5分くらいで終わりました。自身の状況を客観視できるのでこうしたツールは有効に活用すると良いでしょう。

*「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」のHPへはこちらのリンクから

ストレスへの対処

ストレスへの対処の有効なアプローチとして「ストレスコーピング」があります。
コーピングにはそのアプローチの方法により、

・問題焦点型
・情動焦点型

といった形に分類されます。
問題焦点型は、ストレッサーに直接働きかける行動を取ります。ストレス反応を引き起こす原因となり得る環境、状況から離れるアプローチとなります。

例えば、毎回通る道で犬に吠えられるたびにストレスを感じる場合、迂回することで
❝吠える犬自体に遭遇しないようにすること❞
等がこの問題焦点型コーピングに該当します。

情動焦点型は、ストレス反応に働きかけるアプローチとなります。特に感情面に働きかけることに主眼をおきます。
上記の
❝吠える犬❞
の事例でいうなれば、犬と遭遇する直前に予め深呼吸などをすることでその緊張感をほぐしておくことがこの情動焦点型コーピングに該当します。

以前ご紹介しました『3つのR』などもこの情動焦点型コーピングと考えることができますね。

色々申し上げましたが、後は自分一人で抱え込まず、身近な親密な人(家族友人など)に相談することも大切です。また、この後出てきます産業保健スタッフの支援、場合によっては医療の助けが必要となることも起こり得ます。こうした支援があることを知っておくのもセルフケアとして重要ですね。

ラインによるケア

ラインによるケアとは、部課長などの
❝管理監督者❞
といった立場の人達が行う取組みとなります。
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では以下のように示されています。

・職場環境等の把握と改善
・労働者からの相談対応
・職場復帰における支援、など

【労働者の心の健康の保持増進のための指針 7項より抜粋】

ラインによるケアでは、このような管理監督者には部下のちょっとした変化に対する気づきが重要であることがいわれています。
厚労省からとてもわかりやすいガイドラインがありますのでリンクを表示しますね。
→「15分でわかるラインによるケア」へのリンク

管理監督者というのは、いわゆる会社の部課長といった管理職を指します。こうした人達は事業主の義務である「安全配慮義務」の実行責任があります。「安全配慮義務」とは

❝従業員の労働においてその安全及び心身の健康に支障がないように注意配慮する義務❞

であり、

❝心身❞

というからには当然メンタルヘルスの要素も含まれます。この「安全配慮義務」は労働契約法 第五条にて明文化されています。この義務を怠った結果、労働者の健康が損なわれた場合、罰則の対象となります。管理監督者は部下の変化に気づき、適切な声かけが必要なことと、労働環境の整備、部下からの相談対応、産業保健スタッフへの橋渡し、職場復帰への支援といった役割を担います。
詳しくは上記「15分でわかるラインによるケア」でわかりやすく説明されていますのでよかったら見てみて下さい。

それにしても部課長さん、なかなかに責任重大ですね。通常業務での責任、業務量と併せて考えると管理監督者の負担たるや、相当なものだと推察されます。
じゃ、管理監督者のケアはどうするのか?
そこで、最初の

❝セルフケア ❞

や、この後出てきます

❝事業場内産業保健スタッフ等によるケア❞

❝事業場外資源によるケア❞

といった支援が重要になってきます。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

事業場内産業保健スタッフというのは、事業場の産業医、衛生管理者、保健師、人事労務スタッフ等といった立場の人が該当します。
常時50名以上の労働者を使用する事業場には衛生委員会を設ける義務があります。事業場内産業保健スタッフは必然的に衛生委員会メンバーであることが多いと推察できるので自身の職場に衛生委員会があるという方は一度その構成員を確認してみるとよいでしょう。

さて、この事業場内産業保健スタッフ等の役割ですが、
上記セルフケア、ラインによるケアの運用に際して労働者及び管理監督者への支援を担う他、
メンタルヘルスケアの実施に関した企画
個人の健康情報の取扱い
事業場外資源との連携
職場復帰の支援
等々の役割を持ちます。

~ちょっと余談~
本サイトの初回の挨拶及びプロフィールでも触れていますが、私はかつて安全衛生委員会メンバーとして、選任の衛生管理者として労働衛生の業務に凡そ10年間程従事していました。当時はまだ産業カウンセラーの資格を持ち得ていなかったので、事業場外の機関の協力でシニア産業カウンセラーの方に色々お世話になっていましたね。

事業場外資源によるケア

事業場にメンタルヘルスの専門知識を持った人が少ない場合等には、事業場外の医療機関、EAP(従業員支援プログラム)といった外部資源の活用が有効です。
事業場の規模が小さく、産業保健スタッフが他の業務と掛け持ちでその実務をフルに実施するのが現実的に困難な状況等、事業場内のリソースではまかないきれない部分をフォローできるという利点もあるので、この事業場外資源によるケアを最大限に活用することは非常に意義のあることといえるでしょう。

4つのケア 色々考察

《ここから華ひらく さんによる写真ACからの写真》

ここまで4つのケアについてお伝えしてまいりましたが、ここからはハルちゃんなりの勝手な考察を2点程述べていきたいなと思います。
あくまで私一個人の意見ですので、予めお含みおきください。

メンタルヘルスに関したリテラシーは能動的に身につけよう

そもそもこの4つのケアを含めたメンタルヘルスに関したリテラシーは自身が積極的能動的に把握しておかないと、最大限の効果は期待できないという意味でこんなタイトルをつけました。
事業場だったり、上司先輩が熱心に教育してくれるような職場であれば良いですが、なかなかそこまで親切に教えてくれる組織ばかりではないと思います。
セルフケアでリカバリできなくなったらラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア等次の段階に進む必要性が出てきます。そんな時に何も知恵がないと、一人のまま状況が悪化してしまいかねません。正しい知識の収集と、そのアップデートは日常的に行っておくと良いでしょう。
専門家等の支援は当然重要です。また、様々な事情により他者の支援が必須な場合もあるかと思いますが、そうした例外が無い限り、結局最後は

❝自分の身は自分で守る❞

のが基本であると、私は考えます。
こうした意味でもセルフケアは基本中の基本であると思います。

中途半端に強い人は要注意

中途半端に強い人は、中途半端に弱い人でもあるという側面を持つと捉えることもできると私は思っています。
メンタルがなまじ中途半端に強いが故に心身に病的な症状が出てこないが、明らかに精神的にダメージを負っている場合があります。こうしたタイプの人は、適切な表現ではありませんが、じわじわと追い詰められて潰されてしまいかねません。周囲の親しい人からの客観的な意見やセルフケアのところでご紹介しましたストレスセルフチェックといったツールを活用して対策することが大切かと思います。

おまけ

今回は4つのケアについてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
マ、結構ざっくりと要旨をまとめたに過ぎないのでもっと知りたい方は厚労省やこころの耳のHP等で詳しく説明されているのでご覧になってみると良いでしょう!

本編では触れませんでしたが、親しい人とざっくばらんに話をすることは心の大きな支えになると私は思っています。昨年末に親しい方々と2年ぶりに再会し、会食してきました。私自身、2020年の2月以来、職場以外ではずぅーっと一人でおり、このひとときはとても楽しく充実したものになりました✨色々悩んでいたこともあったのですが、おかげさまでかなり気持ちがラクになりました。感謝です!
やはり、こうした人の繋がりは大切にしていきたいなと思いました。

今回は以上になります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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