ロジャーズの理論を覗いてみよう♪

心理学のおはなし
しげあきさん による写真ACからの写真

おはようございます。ハルちゃんです。
本ブログを開設し、初の投稿が昨年3/28。あれからもう1年が経とうとしています。早いものです。

今回は心理学、カウンセリングの分野では最も有名どころといっても過言ではない
カール・ロジャーズ
についてお伝えしてまいります。
カール・ロジャーズの主な理論のひとつ、自己理論と呼ばれる考え方をご紹介いたします。また、後半ではロジャーズの考え方と中国の思想家、荀子との共通点について私の勝手な考察なんかも綴っています。
最後までお付き合い頂けましたら嬉しいです♫

カール・ロジャーズってどんな人?

《 acworks さんによる写真ACからの写真 》

カール・ロジャーズ(1902-1987)はアメリカの心理学者で、現在のカウンセリングに大きな影響を与えた名だたる学者のひとりです。ロジャーズが先駆けとされる様々な手法が現在のカウンセリングにおいて標準になっていることも多いといわれています。中でもロジャーズが1940年代に創始した「来談者中心療法」はその最たるものといえるでしょう。

来談者中心療法について

来談者中心療法では

❝人間には元々自らを発展成長させていく、又はより良くしていこうとするチカラが潜在的にある❞

という人間観を基本としています。
上記のような人間のチカラをロジャーズは

実現傾向

と呼び、人間及び生命体はこの実現傾向に基づいて成長を重ねていくとしています。
そして、この成長には

適切な環境、条件

が重要な要素となります。
つまり、現在悩み等で苦しんでいる場合や不適応状態に陥っている場合はこの

適切な環境、条件

が整っていないとされます。この原因としては後述します本日のメインテーマ「自己理論」とも繋がっていくのですが、来談者中心療法ではカウンセリングを通して来談者(クライエント)の実現傾向を最大限に発揮させ、問題解決に繋げることがひとつの目的であるといえます。

さて、ロジャーズの理論では上記の通り人間には元々実現傾向が備わっていると考えます。従いまして、カウンセリングにおいてカウンセラーは

❝問題解決への糸口はクライエント自身が知っている❞

というポジションをとります。カウンセラーの役割はあくまでその糸口をクライエント自身が気付き、見つけ出す為のサポートということになります。
サポートには

傾聴

という技法がとても重要になってきます。
そして、カウンセラーの姿勢、態度として

・受容→相手のあるがままを無条件に受け入れること
・共感的理解→理屈で理解するのではなく、相手とともに、相手の立場視点に立って考え、感じる
・自己一致→カウンセラーがありのままの人間として、誠実でいること

以上3点が求められます。
来談者中心療法についての説明はこれ以上進めると膨大なボリュームになりますのでこのくらいにしておきます。今回の説明はホントに❝カンタン❞にまとめたにすぎないので、もっと詳しく知りたい方は専門の著書が数多くございますので読んでみるのも良いと思います。
この先はメインテーマの自己理論について進めてまいります。

自己理論って何ですの?

《 みっちぃ さんによる写真ACからの写真 》

ロジャーズの主な理論のひとつに自己理論という人格理論があります。
自己理論では、自己概念と呼ばれる自身の理想と実際に直面する体験とのズレによって不適応等の状態が生み出されると考えます。このズレは不一致と呼ばれ、不一致(自己不一致)を一致(自己一致)させていくことが必要となります。
上記で申し上げました

適切な環境、条件が整っている状態

とは正にこの自己一致のことを指します。
従いまして、来談者中心療法ではこの自己概念を変容させて自己一致度を高めていくことが主要な目標となります。

わかりやすく一例を申し上げますと、

自己概念→❝常に他者から肯定、称賛されている❞という理想。
実際の体験→❝常に肯定、称賛されるわけではない❞又は❝中には異議を持つ人が存在する❞場合がある。

といったイメージとなります。こうした状況でどのように感じるかは千差万別かと思いますが、重く受け止め失意のどん底に陥るような場合は自己不一致であることが多いに考えられます。
ここで、実際の体験を適切に受け入れることができる自己概念に変えることで体験に対する一致度を高めていくことが必要となってきます。
これも人によりますが、自己不一致による不適応状態が続き、何のリカバリも施さないでいるとメンタルヘルス疾患に発展する恐れもあります。
当然、自己一致度が完璧な状態というのは現実的に難しい場合が多いと思います。なので、ここはあくまで一致度の大きさを広げることが大切であると考えます。

以上が自己理論に関する大まかな概要となります。

ロジャーズの理論と荀子の思想を考える

<D 850 さんによる写真ACからの写真>

ここでは見出しタイトルの通り、ロジャーズの実現傾向の理論と中国の思想家、荀子のとある興味深い名言との共通点についてお伝えしてまいります。
クライエント自身の内在されたチカラを尊重するロジャーズの考え方はよく
「性善説に基づく」
なんて言われ方をします。
一方、荀子の学説は
「性悪説」
にそのポジションを置いています。
性善説と性悪説。対になりそうな感じのロジャーズと荀子ですが、荀子のとある言葉の中にロジャーズの考え方との共通点を見出してみました。
その前に、ロジャーズの実現傾向についてもう少しお話いたします。
繰り返しますが、上記「実現傾向」について、ロジャーズは
生命体は、その置かれた環境下において自らのパフォーマンスを最大限に実現しようとするものである
という主旨のことをいっています。
また、
人間の行動における動機付けはあらゆる生命体が保有する実現傾向である
といっています。
そして、ロジャーズは少年時代にこの実現傾向にまつわる大変興味深いエピソードを体験しています。
以下にご紹介いたします。

じゃがいもの芽のハナシ

<ロジャーズの自宅地下には冬に備えての食料としてじゃがいもがあったそうです。地下室の日が殆ど当たることのない過酷な状況下に身を置くじゃがいもではあるのですが、小さな窓から差すほんの申し訳程度の日光に向かってふり絞るかのごとく青白い芽を伸ばしていく様子を発見したのです>

結局のところこの先、地下室という場所で芽を伸ばしたところで花を咲かすこともできなければ身を結ぶことも叶いませんが、それでも頑張って芽を伸ばすじゃがいもの姿は正に実現傾向といえるのではないでしょうか。
もし、このじゃがいもに相応の環境、条件(適切な土壌、日光等)が与えられれば見事な成長を遂げることができるでしょう。
そして、人間も同様に適切な環境、条件が整うことで最大限の実現傾向が発揮されることでしょう。

さて、ここまで実現傾向についてお伝えしてまいりましたが、今度は荀子のお話になります。
荀子の名言に上記じゃがいものエピソードとよく似ている件(くだり)があるのです。以下に引用いたします。

蓬も麻中に生ずれば、扶けずして直し   (勧学から)

蓬は通常、地面を這うように生えているものですが、麻の中に生えることで、麻の真っ直ぐ上に向かって伸びる性質に影響されて同様に真っ直ぐ上に伸びていく
という内容になります。これは人間にも当てはまり、自身が最大限に成長、発展していくには適切な教育、人間関係、組織、資源環境etc.に身を置くことが必要であるという意味を持ちます

いかがでしょうか!植物が異なるだけで伝えていることはロジャーズとほぼ同じといってよいでしょう!
荀子は紀元前の中国で活躍した儒学者なのでロジャーズよりずーっと歳上になります。そんな昔にこうした思想が確立されていたということに私自身、とても歴史的ロマンを感じます。

あと、これは完全に私の勝手な私見ですが、
荀子の考える性悪説はフロイトの自我(イド、エゴ、スーパーエゴ)に、
提唱する「礼」のアプローチは行動療法に通ずるものを感じました。
★中国古典にみる心理学の考察なんて記事も今後書いてみたいと思っています。★

おまけ

今回はカウンセリングにおける重要な位置付けにあるといっても過言ではないロジャーズについて色々お伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
以前、ライフキャリア格差をテーマにした記事を投稿しましたが、今回のお話で随所で申し上げました「適切な環境、条件」というのはライフキャリアにおいても大変重要だと考えています。この環境づくり、条件を整えることはあらゆる教育の場面で必須事項だと思うのです。

↓ライフキャリア格差に関した記事はこちらからもご覧になれます↓
古典に学ぶ生きやすさ5 ライフキャリア格差を考察

↓また、本ブログでライフキャリア格差について初めてお伝えしました記事はこちらです↓
本のレビュー『たくましい人』④

よろしかったらご覧ください。


2月後半から体調崩して2週間近く寝込んでいました。
仕事に復帰したら、通勤途中の休業していた居酒屋さんが再開していたり、駅のホームドア設置工事中だったのが完成していたりとプチ浦島太郎になったキブンでした。
そして、何より暖かい!!!午後6時の空が明るい!!!
素晴らしいです🌟これで新型コロナウイルスが収束してくれたらさらに良いのですが、こちらはまだまだ時間がかかりそうですね💦

それでは、今回は以上になります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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